写真を使った園主の日記です。

2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その3)

2019.12.23

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コウヤノマンネングサも見られる苔の仲間達
そのホウオウゴケからすぐさま林道と谷川が交差するところ。そこにはコンクリートの上にトヤマシノブゴケと思われるシノブゴケが着生するように育っているのでした。
その橋のすぐ下にはオオカサゴケが見られるのでした。そのわずかに見られるオオカサゴケ。ここは天国ではなかったようです。その原因は何なのか、オオカサゴケにたずねたいところです。
この季節、落葉して赤い実が目立つサンキライ。
何回か探索に来てはいますこの地、始めて気がついたサンキライの実。
林道にこのようにサンキライが育っているのでした。
そのあたりにはタマゴケも見られるのでした。
やはり山からの流れ出る伏流水がタマゴケを育んでいるよい例です。どこで見るタマゴケもこのような環境です。タマゴケは夏冷涼な気候を好む非対暑性の苔。この辺りでは夏やはり焼けてしまうのかどうか調べたいと思うのですが、いかんせん動ける季節はこの季節の冬限定です。
その崖下の林床にはコウヤノマンネングサのコロニーが見られるのです。もうこれで何回目か。いつ見ても見あきぬ楽しみがあるコウヤノマンネングサです。
このコウヤノマンネングサが生育する林床は、その昔耕作する目的で広かれた畑では思えるのです。
これだけ生育しているコウヤノマンネングサ。環境は富栄養化した林床にあるかと考えられます。長年積まった落葉からできる腐葉土に一次茎の根を張り、そして片や林道を介して山の崖という状件。その山に降る雨水がこの林床に流れ込むかと考えられます。おそらくはその時の林床は水が滞まる状態になっているのでは。その条件がコウヤノマンネングサをこのように育んでいるのではと考えられます。
コウヤノマンネングサは根の無い苔の仲間。山から流れ出る雨水は腐葉土の層を流れた富栄養化した雨水。そのような栄養化に富んだ雨水がこのコウヤノマンネングサ一面に生育期間中に何回となく水を湛え、その雨水を吸収することによってこのようによく育ったコウヤノマンネングサになったかと考えられます。
その林床がその昔人工的に造られたものとわかる石垣。その石垣にはツヤゴケが厚く育っているのでした。うっすらと紅葉しているツヤゴケを見ると夏の間日射量のかなり少ない谷間であるかと考えられます。
石垣の上がこのツヤゴケの育む環境に合ったのか、おそらくはかなりの高湿度が保たれている林床と考えられ、土の上では無く、石の上に育ったことがわかります。
コウヤノマンネングサのコロニーの環境条件を見ますとよく理解ができるかと思われます。ツヤゴケは高湿度は求めても停滞水による湿潤な環境はどうもにが手のようです。
よく見ますと林道に面した法面にコウヤノマンネングサが見られるのでした。
でもそのコウヤノマンネングサ、何んとなく負弱です。
これを見ますとコウヤノマンネングサがよく育つ条件がわかってきます。この法面にも長い年月を経てコロニーを形成しています。おそらくは対面の山に降った雨水がこの法面を潤おしているかと考えられます。
その雨水、腐葉土の層によって富栄養化してこのコウヤノマンネングサを育んでいるのですが、この法面の保水力だけが頼り。つまりどぶ漬けか散布かの違いがコウヤノマンネングサの育ち方を変えていることがここでは証明しています。
そのコウヤノマンネングサのコロニーから見上げますと、そこにはホウオウゴケが育つ小さな滝があったのです。山の降った雨水がこの滝に寄せられ、イッキにコウヤノマンネングサを潤しているのでしたつまりコウヤノマンネングサが育つにはある一定の湿潤になる条件、更にはその時間が関係していることがわかってきます。
くわしく見て見るとどうもホウオウゴケのような大きなホウオウゴケ。今まで何回となく見ているのですが、多分ですね。
少し小型のようにも見えるのですが、そこには年間の降水量とこの小さな滝の水量等色々な環境条件がそうさせたのでは。或は他のホウオウゴケかもしれませんが。

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