写真を使った園主の日記です。

2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(1)於 京都 丹波高原

2019.01.08

2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(1)於 京都 丹波高原 はコメントを受け付けていません

本日は朝より曇天、紅葉の美しかった高雄を過ぎた頃より雨模様。
その中で昨年2回程訪れました谷を再度訪ねました。
ところが、よく観察しますと代表的な苔が何でも見られるのでした。
ここへ来ればあちらこちらへ行かなくとも簡単に観察できるのでした。
貴重な苔生育地です。
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昨年はまったく気づくことのなかったコウヤノマンネングサが生育していることでした。
しかも道路脇にです。
早速車から降りまして観察することに。
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やはり夏の涼しさと水分の豊富さでコウヤノマンネングサと同じような条件のシノブゴケが生育しているのでした。
このシノブゴケは夏の涼しさを求めるアオシノブゴケではと思えます。
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ところがシノブゴケだけではなく、コツボゴケらしきものが見えるのです。
初めて見ることのできましたコウヤノマンネングサとコツボゴケの共生です。
コツボゴケも夏の涼しさと水分を要求することは同一条件だけにこれはこれで納得です。というよりも新しい発見ですねぇ。
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そのコツボゴケです。
このコツボゴケも色々な変種がありますので今後勉強しなければなりません。
どうです きれいに育っているコウヤノマンネングサ、もう冬ですから夏の青さはありませんが、意外やそれでも青々としておりました。
やはりミネラル豊富な腐葉土層を通過した雨水がこのコウヤノマンネングサに最適な生育条件を供給していることがわかります。
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ただ、このコウヤノマンネングサ、少し草丈が低いことが気がかりでしたので、少しサンプリングさせていただきましたところ、下にはアスファルトの地面がでてくるのでした。成程です。
やはり成長期には供給される水量が少なく、それで思うように育っていないことがわかりました。
谷川とは反対の人の斜面に目を移しますと、クジャクゴケが側溝に見られるのでした。
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その側溝をよく見ますと、クジャクゴケ以外にも少し小型のトサカホウオウゴケらしきホウオウゴケが育っているのでした。
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そしてその斜面にはコウヤコケシノブが見られるのでした。
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その反対側の谷川側の地面を見ますと、今度はコウヤノマンネングサとオオカサゴケの共生です。
こんなこと有り?といいたいぐらい珍しいこと初めてです。
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そんなことで、ここではオオカサゴケも見られるのです。
みなさまには案内したいところNo.1です。
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そんなことでもう少し変わったコケはないかと探しておりますと、期待は裏切らないものです。
コウヤノマンネングサとは少し趣が変わっているなあとよく見ますと「フロウソウ」です。
コウヤノマンネングサとの陰に隠れて少し人気はないのですが、でも育てますと、よくできましたフロウソウを見ますとまるで別物に見えます。
もっと人気が出ても良いのかもしれません。
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このフロウソウこの12月頃になりますと新旧入れ替わる季節です。
育てておりますとよくわかるのですが、11月頃より新芽が吹いてくるのです。
自然でもそのようなことが起こっています。
小さな可愛らしい新芽がたくさん顔を覗かしています。
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そのようなことで反対側の山の斜面の側溝を観察しますと、クジャクゴケ風に広がったコケを見ることができました。何ゴケか知らないことだらけです。 その側溝を見て歩きますとフトリュウビゴケでは。
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そしてムクムクゴケも見られるのでした。
このムクムクゴケは夏はかなり涼しいところを好みますので、この辺り一度夏の季節に訪れてみたい思いがいたします。
そのムクムクゴケを上から見たところです。
山の斜面からの雨水が伝わっていることがよくわかります。
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そしてその奥にはミズゴケが、多分オオミズゴケが生育しています。 厳密に言いますとコケ植物の中で唯一の湿生植物であるミズゴケが育っているということは、やはり年間通じてそれだけの水分補給があるということになります。
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斜面を見上げますと、フトリュウビゴケが目に付くのでした。
このフトリュウビゴケは空中湿度がかなり必要な特徴であることがよくわかります。
その下の水路にはやはりフトリュウビゴケとヒノキゴケが見られるのでした。
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そしてその奥の斜面にはコウヤノマンネングサが再度見られるのでした。
よく見ると多分アオシノブゴケが見られ、同一の環境を好むことがわかります。
テラリウムにはやはり両者を使用することをおすすめいたします。
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時間もあまりなく、引き返すことに。
谷川に沿った山道を下りますと「稲荷明神」が祭られていました。
多分この大木に神が宿るとされ、この山を守ってくれる神を稲荷明神に託したものと考えられます。
そんなお稲荷さんを祭ってある台座の石にもシノブゴケが育っているのでした。
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その反対の苔むした山の斜面を見渡しましたところは、急斜面だけに落葉が積もれず、腐葉土の層にもできず、そのようなところに苔が育っていることがよくわかります。 そこにはシノブゴケとクジャクゴケが見られるのでした。
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このクジャクゴケを観察することに。 胞子の出ているクジャクゴケ、やはりその胞子から見てクジャクゴケに誤りはなさそうでした。
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この胞子をきれいに、そして特徴がわかるように撮影するのでしたが、いかがでしょうか。
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谷川にはムラサキシキブが見られるのでした。
紫の実がなる秋の人気種ですが、自然のものを見る機会も少なく、記念にと思いました。
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辺りにはイトゴケ、キヨスミイトゴケが見られるのですが、大きく育っている様子もなく、このイトゴケも空中湿度だけでなく、その他の環境があるのかもしれません。
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倒木には「きのこ」に混じってホソウリゴケのような青い美しいコケが育っているのでした。 そしてシッポゴケと思われるコケも見られるのでした。
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山の斜面にはタマゴケが、そしてショウジョウバカマがうずもれるように育っているのでした。 シノブゴケも道沿いにたくさん見られるのでした。
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いろいろな個体があるように思えるので、サンプリングをさせていただきました。
深山に育ったシノブゴケにはどのような種類があるのか楽しみです。
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里に下りてきますと、山水画の世界が見られるのでした。
普段見られる風景でないだけに恵まれた観察日和です。
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途中次の谷へ訪ねる合間に道の駅へ。
昔懐かしい京都ならではのしめ縄が販売されていました。
そして道の駅の中には、それこそ今では見られることが無く、「釜戸炊き」と言葉が死語となっている釜戸の写真が飾られていました。
京都では「おくどさん」と親しみを込めて呼んでいました。
この燃料である「薪」を燃やした炭を火鉢に移し、本来の黒炭の種火にしたものです。
そのように実家で行われていたことを思い出しますと、当方も老いたものだと思い知らされる昨今です。

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