2016年12月2日 京楽焼植木鉢販売 京楽焼の源流である地元短冊屋さんで長年修行された川嵜さんの工房をお訪ねしました。
短冊屋(和楽)さんから独立されたのがこの8月ということで、ここで窯を築かれたのが9月のこととか。お訪ねしたところ焼き物工房で見られる製作現場とちっとも変わらずお元気で製作しておられました。
そして一番目に入ったのが、この「窯」でした。 |
楽焼きは登窯で焼くのではなく、家の中で焼き釜も小さいのですが、これを「内窯」といいます。
楽焼きはどうも桃山時代には確立されていたようですが、このような窯が土中に埋められ火鋏で作業がやりやすいように工夫されていたかと思います。 下の口は「ふいご」で風を送る口です。 |
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中を覗きますと楽茶碗が1個入るサヤと、その周りに備長炭をいれるスペースがあります。
楽焼きは「急熱急冷」という焼き方をされるのですが、一日中次々と茶碗を焼き続ける方法として、この炭を使った内窯は合理的な焼き物であることがわかります。 |
すのこを外した底です。 鞴で送風され焼成温度を一気に上げる構造がよく分かります。一気に温度を上げることにより茶碗は真っ赤になり、釉薬が溶け出した頃を見計らって火鋏で取り出します。 そしてその真っ赤になった茶碗を水の中に一気につける急冷です。 その楽茶碗の技法が今日三河楽焼植木鉢に伝承されていることが京楽焼きといわれている由縁です。 |
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この窯で焼かれた黒楽茶碗です。 釉薬は加茂真黒、つまり京都市内を流れる加茂川(鴨川)の上流で採取される黒い石、これを真黒といい、水石・庭石の世界では「加茂七石」の一つに数えられ、石の世界では横綱とされています。 その真黒石を釉薬に使っているのは桃山時代より受け継がれています。 この作品は釉薬が透けすぎたのか、窯変も出ていますので目を凝らして見てください。 |
楽焼きに使用される「火鋏」です。
京焼の楽焼は窯も小さく、使用される火鋏も意外と小型でした。 |
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