2018年5月16日 信楽焼販売 古い遺跡より出土する「サヤ」
登窯にて焼成された信楽焼、主として食器類ですが、昔は炎を被ると売り物にならなくなるので炎から保護する目的でサヤを使用していました。 そのサヤも耐用年数を過ぎると破損し、捨てられることになります。それが今日遺跡として保護されることになってしまいました。 ゆえに割れているのが普通で、完品とは無きに等しいのです。 |
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窯の中で高温になるところに置かれていたのでしょう。「コゲ」といわれる土が焼けている状態です。 そして登窯の壁面が高温焼成により溶け出し、サヤにくっついてしまっております。睡蓮鉢等で「コゲ千段」といわれるものは、このコゲをモチーフにして作られています。 |
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信楽焼の胎土は収縮率が高いといわれています。窯の中で置く場所によっては、時として高温になったりして思わぬこととなったと思われます。 このサヤも収縮によって大きなヒビが発生したと思われます。このヒビを利用して底穴と考え、植木鉢へのそのまま転用できます。 |
ビードロのサヤ。焼成に使用する松割木が燃えますと灰になりますが、更に高温になりますと溶け出し、ガラス状となります。 このことをビードロと表現したのです。現代、ガラス釉を使用した植木鉢等でビードロと名付けられているものは、この登窯で自然にできた現象をモチーフにしたことがわかります。 |