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花ハス・花蓮栽培 2.春の植替え編

 花ハス・花蓮の育て方、栽培方法
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春の植え替え編 ①掘り上げ

写真撮影日:2008/03/24
写真の品種は一天四海です。


 

 ア.ポットをひっくり返した状態
 

 

 イ.蓮根を培養土から外した状態。
 

ウ.蓮根を水洗いした状態
(底の部分をお見せしています。)
 
 

 エ.蓮根を株分けした状態
 
 右側の3株が一番大きな株で、左へ行くほど小さな株になります。
 このポットでは全部で14株分株できました。
右側の3株は通信販売用の立派な株です。
真中の3株は弊園夏期出荷用の株です。
蓮根がやせているので、生産用にまわします。
一番左の小さい株は増殖用の株にします。
8株あります。
この小さな株でも、開花しやすい品種であれば
この夏に全量咲くと思います。
ただし、一天四海は高性種で
30センチサイズの容器では咲きにくいので
仮に咲く能力があったとしても咲かないと思います。
50~60センチサイズの容器であれば無理なく咲くと思います。
 
 大きな容器で植えられても花が咲かないとよく耳にしますが、
それは弊園からいえば肥培管理が足りないからであって
ちなみに弊園ではこの一天四海を
昨年60センチサイズの容器に植え付けたところ
一度に4輪咲いております。
品種の特性と容器とをうまく組み合わせていただきますよう
お願い申し上げます。
蓮根が思うように増えない方は肥培管理が悪いと思いますので
今後、肥培管理に努めてください。
蓮根がうず巻いている「(ア)のポットからひっくり返した状態」の蓮根は
ちょうど1年前に販売した残りの増殖用にまわした蓮根の中で、
比較的状態のよいものと同程度の種蓮根を弊園で一作したものです。
ですから、当初よりこの程度の蓮根}であっても、
初めから40~50㎝の鉢で植えれば花はそれなりに上がったと思います。


春の植え替え編 ②植え付け(定植)

以下の写真は2007年3月に撮影したものです。


例1.簡単な植え付け方法

弊園では当初蓮根を植えるに際し「土を練る」ということを全く知りませんでした。
それにて球根を植える要領にて植え付けており、何ら問題はありませんでした。
むしろ弊園のように大量栽培にはもってこいの方法でもありました。
この方法にて植えられることをおすすめします。
練るという作業が全く必要ありません。


オ.ビニールポット30cmサイズのものに、スコップで軽く1杯の田土を入れます。
 
 

カ.分根した蓮根の先端部分を、やや斜め下にしておきます。
 
 

キ.その上に田土をスコップ1杯入れます。
 
 小型の蓮の場合を基準にして、大型の蓮の場合は田土を1.5倍程にします。
 なぜなら覆土が少ない場合、生育期間中に風などで倒れやすくなってしまいます。
弊園では覆土を入れて、ポットの約1/4~1/3を基準に植え込んでおります。
 

強風で倒れた例

 ク.植え込んだ後に潅水しますが、ポットの1/2を基準にして水を張ります。
 そして浮葉が出るのを楽しみに待ちます。
 


 直径30cmのビニールポットを何故使用するかといいますと、
生産サイドからいえば一番理想的だからです。

 小型(茶碗蓮を含む)の蓮の場合、ポットサイズに余裕があり、蓮根が充分に生長しますので、花上がりが多くなると共に開花時期も次々と咲きますので、観賞に充分な良質の栽培が期待できる。

 大型の蓮の場合、上手に咲かせることの出来る限界のサイズが30cm程度と思われるからです。(一部花上がりの悪い品種は、より大きいサイズが望まれる。)
 肥料管理さえうまくやれば生長が素晴らしく、花上がりも良くなります。弊園の場合、同時に2本のつぼみが上がってくるポットの数が、比較的多く見受けられます。

 弊園の場合、30cmポットが出荷の限界です。初夏の頃より、全国のガーデニングセンター、ホームセンター向けに花き園芸市場へ出荷いたします。
 その場合、作業の都合上30cmより大きくなりますと、作業がやりづらくなります。

 販売されるお店でも、お客様が持って帰られる場合、或いは配達される場合でも、やはりこれ位が限度かなあと思われます。

 


例2.どうしても土を練りたい方

趣味家のブログを見せていただきましたところ気付きました点は

①荒木田 弊園関東地方の「田の土」と思い込んでおりましたが、現在流通している荒木田は建築用の荒壁に使用するいわば粘土。これは大変な作業です。
そういえば当京都では私の子供の頃はじゅ楽壁といいまして良質の荒壁土を使用していました。ところが近年ビニール袋に入った粘土を使用、時代が変わったなぁと思っておりましたが、今思えば荒木田でした。
それはそれとしまして使用方法でワンポイントアドバイス!
それは容器に必要量の荒木田土を入れ、次に同量或は少し多い目に水を入れます。
そして「1~2日間そのままに置いて下さい。」
ここが重要ポイントです。そしてその後に荒木田を練りますと、御婦人でも簡単に練ることができます。水を吸収していない固い荒木田土を練ることが蓮栽培のステータスシンボルでは無いと思います。
花蓮の栽培の普及を計る意味においてもこのことは実施して下さい。
ウソのように軽い作業になります。

このことは実際世の中の現象で見ることができます。

例1. 地震の時の建物が倒れる地下水による液状化現象です。考えてみれば土がトロトロになっている現象です。

例2. 昔家の新築がありますと、京都では庭にじゅ楽という荒壁土をすもうの土俵のように盛り、それの中心をあけ水をそそぎ、プールのようにしてから、足で練る作業を1週間或は1ケ月間も続けた左官屋さんであったと思います。
固い土をやわらかくして、更に壁土とする最適の固さにして練り込む作業だったと思います。
以上のことをヒントにして下記の要領で植え込んでください。


 

2009年4月21日
 田土を5cm前後入れます。2年前までは、1/3田土を入れておりましたが、重くなり、市場関係者から少し評判を悪くしましたので、昨年より軽くしております。
 水を注入します。
 田土と同量の水を入れたところです。
 そして水を張った状態で1~2日間置き、用土が十分水分を吸収するまで置いて下さい。
 用土が十分水分を吸収したところで田土を練ってトロトロにしているところです。
 いわば液状化にしているところです。
 田土の上に種蓮根を置いたところです。
 種蓮根を埋め込んだところです。この状態で田土がおちつくまで約1週間置いておきます。その後水を1/3位になるよう張ります。

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