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タヌキモの育て方

食虫植物の育て方 ~タヌキモの育て方~

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食虫植物の育て方 ~総論編~ 食虫植物の育て方 ~各論編~
  準備中  【タヌキモ科 タヌキモ属】
  水生植物 オオイトタヌキモ
  水生植物 イヌタヌキモ
  水生植物 イトタヌキモ(ミカワタヌキモ)
  水生植物 東北産 不明タヌキモ
  湿生植物 ミミカキグサ

 【モウセンゴケ科 ムジナモ属】
  水生植物 ムジナモ


オオイトタヌキモの育て方


オオイトタヌキモ

オオイトタヌキモとは
 1.タヌキモは水中性で水の中に生育している。
 2.日本国内では日本固有種のフサタヌキモを始め、イトタヌキモ、コタヌキモ、
  オオタヌキモ、ノタヌキモ、タヌキモなどが見られる。
 3.オオタヌキモは正しくはオオバナイトタヌキモと呼ばれ、花が大きい。
食虫植物です。
水中の生き物を栄養源として補虫する。
タヌキモは小さな補虫嚢(のう)を付け、水の中の微生物を吸い込み式で捕らえます。
画像の中にある半透明状の白い粒は、ミジンコの幼生から少し成長したものです。
このように小動物がたくさん涌きますと、タヌキモもよく成長します。
貧栄養の沼に生育しているタヌキモは、微生物を捕らえることで、栄養不足分を補給しています。
タヌキモが生育している沼水はPH6程度の弱酸性です。
沼では自然にプランクトンを始めとして、小動物が繁殖していますが、育てる場合ミジンコ等の微生物を与え、栄養分を補給すると良い。
オオイトタヌキモの育て方
 水質は
弱酸性のPH6程度が生育良好な少し色のついた透明な水。
タヌキモ入手予定の2週間前から1ヶ月前に準備を始める。
容器は 
20cm以上の深さがある容器であれば何でもよい(水深が10cm以上になる容器です)。
容器はいくつか用意することで水質が悪化したり、アオミドロが多発したら移し替えることができる。
ミジンコ休眠卵を含んだ田土を底にいれ沈殿させる。有機物等、浮遊物等があれば取り除くと良い。
田土は深さ5cm程度でよく、多く入れるとアオミドロ等が発生しやすくなるので注意する。
そこに抽水植物であるクワイオモダカ極姫ガマフトイ等を植え込むと有機酸の補給にもなり、調子がよくなるようです。この画像は睡蓮鉢に花ハスを植えております。
水を弱酸性に保つために、長繊維ピートモスを用意し、台所用ネットにいれ浸ける。合わせて有機酸の補給ができ、ミジンコ等の発生に役立ちます。ピートモスは2週間位で取り替えるか、取り除く。 
水道水を汲み置きし、10日~2週間前後経たものを常時置いておき、蒸発した水の補充に使用する。
準備のできた容器にオオイトタヌキモを入れ、増殖するのを見守る。
水質が合い、ミジンコも発生し始めるとその栄養でオオイトタヌキモが増殖し、マット状になります。

例1)炎天下に置かれた睡蓮鉢の中で、睡蓮とともによく育ったオオイトタヌキモです。
春以来、手入れは一切しておりません。

手を入れオオイトタヌキモをすくい上げますと、マット状になっていました。
この状態になるまでに約2年かかっています。 
例2)木陰に置かれたビニールポット13号です。ヒシを育てていますがなぜここにオオイトタヌキモが
まぎれこんだのかはわかりませんが、いつの間にかこのようになりました。
手を入れてすくい上げますとやはりこの通りマット状に育っています。 
オオイトタヌキモがミジンコ等を捕食すると、その栄養を取り込み、捕虫嚢はその死骸で黒くなっていきます。
夏の暑い季節は木陰等の日陰に置き、水温が上がることに注意する。あまり日陰すぎると夏の開花期に花が咲かなくなるので注意を要する。水は蒸発が多くなる時期ですので、こまめに水の補給に努める。その水は酸素を多く含んでいるのがよいので、かきまぜ勢いよくたっぷり入れる。


イヌタヌキモの育て方


イヌタヌキモ

1.イヌタヌキモの入手はムジナモの最初の入手時に同居してきました。
そのイヌタヌキモ、木陰に置いてあった睡蓮鉢に植えられたサイジョウコウホネの中に放流。
今にして思えば、木陰で水温が上がらなかったのが良かったのかと思います。
その後サンポットに移植。現在に至ってまいます。

1)弊園の水と相性が良いのかよく増えてくれるタヌキモです。

2)実はこの桶、一昨年はこのタヌキモよく増えておりましたが、アオミドロの類も良く増え、昨年は本当に絡み合った状態でどうしようもない状態でした。

3)ところがこの春、タヌキモが休眠中でよく見えなかったのでしょうか。スタッフがこのアオミドロをきれいに捨ててしまったのです。 気が付いた当方あわてて、かなり乾燥しておりましたが拾ったものです。

4)その後、元の桶はアオミドロが無くなり、少し影にしておりましたトレーを動かし中をのぞくと、ほんの少し残っておりましたタヌキモが驚くほど増えていました。 それが、2017年7月10現在の画像です。

5)その後も増え続けました。

6)当初よりのイヌタヌキモもこのようになってしまいました。
9月15日の現状です。

昨年まではアオミドロにまみれ、それが一旦捨てられてしまい残されたわずかのイヌタヌキモでしたが、よくここまで復活してくれました。

これこの通り、マット状にまで育ったイヌタヌキモもこの厚さです。アオミドロも発生せず、絶妙な水質で増え続けるイヌタヌキモです。

2.アオミドロまみれのイトタヌキモは

1)捨てられたアオミドロまみれのタヌキモは発砲スチロールに入れられただけだったのでしょうか、少し日陰にしてやるとアオミドロが減少したのは良かったのですが、 このタヌキモもかなり弱った様子。それにて少しすくって、コウホネが育った別の桶へ入れてみました。

2)一週間後、桶をのぞきますと、あっと思うほど良く増えておりました。

いままで色々なタヌキモを育ててきましたが、どれもこれもダメですべて枯らしてしまいましたが、このタヌキモだけはよく増えてくれています。

3)その後もよく増え続けました9月15日現在の画像です。

底面一杯に田土で植えられたサイジョウコウホネでしたが、植えられて何年も経過しまして肥料分も抜け、 最適の環境かアオミドロ類の発生も見られません。

4)よく見るとムジナモが紛れ込んでいることがわかりました。  いつの間にか増えよく育っております。

5)よく育ちましたイヌタヌキモ

サンポット80L一杯に育ってくれています。自然では1m程に育つようですので、当たり前といえば当たり前。
今後どこまで育つか楽しみです。

3.オニバスポットのムジナモと同居していたイヌタヌキモ、9月11日現在です。

ムジナモを大切に扱ったオニバスポット。右端に同居しているイヌタヌキモはどちらかといいますと?

4.それでもオニバスの葉に隠れながらよく増えてくれています。
9月15日現在です。

広がることもせず、マット状によく育ってくれています。
このイヌタヌキモも広い場所へ転居させる頃かと考えてられます。

5.オアミドロまみれのイヌタヌキモ、健全に育つかと育つかと思ったのですが、、

(1)

やはりよく増え混みあってくるとアオミドロが少し発生してきました。少し富栄養化してきたのかもしれません。
でもこの夏少しの株からよく増えてくれましたイヌタヌキモです。

(2)そしてこのポットがアオミドロまみれの昨年の株を引き継いだポットです。

当初、アオミドロをかなりきれいに取り除き、順調に育っておりました。が、はやり富栄養化が進んだのか、 手入れが悪かったのか、日ごとにアオミドロの分布が広くなってくるのでした。
冬至芽をきれいに取り、来年に期待するより他はなさそうです。

(3)オニバスポットのイヌタヌキモです。

まったくアオミドロの発生も見られず、よく増えてくれましたイヌタヌキモです。
水質もよく合ったのかもしれません。今後すべてのポットがこうありたいと思います。

2017年7月25日 記入 
2017年9月22日 追記 
2017年10月16日 追記 


イトタヌキモ(ミカワタヌキモ)の育て方


イトタヌキモ(ミカワタヌキモ)

特徴

1.細い茎がからまって水中に浮遊、あるいは湿地にマット状に密生して生育する繊細な食虫植物。
通常流通しておりますオオバナイトタヌキモと比較しまして植物体だけを見ますと区別のつかない特徴があります。

2.イトタヌキモとオオバナイトタヌキモとを区別すつ判断材料は開花期の花の大きさです。

     イトタヌキモ     : ミミカキグサの花と同程度
   オオバナイトタヌキモ : 直径15mm前後の大きな花が咲きます

 イトタヌキモは花が小さいという、それだけの特徴です。

3.イトタヌキモは別名ミカワタヌキモと言われるように国内種です。
オオバナイトタヌキモは来歴不明の外国種のようです。
弊園でもこのオオバナイトタヌキモは何かの水生植物を導入しました折に着生しておりますと気が付けばよく増殖しているほど丈夫な種です。
イトタヌキモはその反面、流通がほとんど見られない貴重な種となっております。

イトタヌキモの育て方

1.イトタヌキモは水生植物であって食虫植物です。
 ですから、イトタヌキモを始めとするタヌキモの育て方には2通りあります。
   1)アクアリウム  :室内で観賞する(この場合、水生植物として観賞する育て方です)
   2)ビオトープ    :戸外で観賞する(この場合、食虫植物として観賞する育て方です)

2.ビオトープとしてのイトタヌキモの育て方
 1)水中の生き物を栄養源として補虫する。
 2)タヌキモは小さな補虫嚢を付け、水の中の微生物を吸い込み式で捕らえます。


 3)沼では自然にプランクトンを始めとして、小動物が繁殖していますが、育てる場合ミジンコ等の微生物を与え、
  栄養分を補給すると良い。
 4)ミジンコを始めとするプランクトンの発生には田土が最適です。
  この田土は言うに及ばず、用土の使用量がアオミドロを始めとする珪藻類の発生と密接な関係がありますのでご注意ください。

イトタヌキモの育て方の実例

1.2017年8月12日 小瓶に入れたイトタヌキモを入手。
2.サンポット80Lの容器に、ビニールポット10号に田土で植えられたサイジョウコウホネを沈め、
 育つ環境を整えてやる。
3.そこへイトタヌキモを分割して放流。
4.その後、約2週間。8月27日の増殖している様子です。


5.約1ヶ月後の増えたイトタヌキモの様子です。

上部はイヌタヌキモ よく増殖しているイトタヌキモです
よく成長している拡大画像 短期間によく増えています

6.2017年10月14日 イトタヌキモを入手して2ヶ月

増えないといわれているイトタヌキモですが、アオミドロの発生もなく水質も富栄養化しなかったのか想定外によく増えたてくれたのではと思います。
 
オオイトタヌキモと比較はしたことが無く、この夏初めての入手。2ヶ月間でよく増えてくれていますので、やはり条件次第かと思われます。

2017年9月15日 記入 
     10月16日 追記


東北産 不明タヌキモ


東北産 不明タヌキモ

準備中

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