クリスマスローズの育て方 失敗しないやり方
弊園のクリスマスローズの苗の冬の管理につきまして | クリスマスローズの育て方 | クリスマスローズ歳時記 |
1.クリスマスローズの植替えは
2.弊園の苦い過去の経験
3.クリスマスローズの土
4.夏を乗り切るキンポウゲ科の植物の水やり
5.クリスマスローズは浅植えか?
6.クリスマスローズ メリクロン苗について
7.クリスマスローズの育て方を科学する
8.もしカビが生えたなら、病気になったら
9.クリスマスローズの春の植え替え
10.山野草培養土で育成 加藤農園さん
後書き
2011年11月4日 | |
弊園ではクリスマスローズハイブリッドを山野草の土で育てています。
理由は ①排水が良好で通気性に優れている。 |
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植え方
①10月に入り植替えの季節となりましたので、従来育ててあったポットの培養土を全量落とします。 |
2011年3月4日 | |
1.ハイブリッドの尺鉢の大株を何年か前に入手しました。 (1)夏休眠期に他の山野草と同じく戸外の棚に置きました。 (2)水やりはスタッフに何も注意せず、雨天の日以外は通常の水やりを連日やりました。 (3)秋には水のやりすぎで枯れてしまう鉢がある中で、かろうじて生き残っている鉢を植え替えました。 (4)葉1~2枚の株を3.5号ポットに植え、5~6鉢はとれました。 用土は弊園オリジナル山野草の土でした。 (5)その後、適当に管理しておりましたが御来園のお客様が購入を希望され、株の良いものから販売。 (6)最後に残った1鉢(一番育ちの悪いもの)が2年後に開花、その間戸外の山野草の棚にて管理。 (7)更に植替え、同じ管理を一年間やりましたところ 3月4日に上記の花が咲きました。 2.今考えると 3.(1)違いは何かというと培養土だけの問題ということに気がつきました。 |
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基本的な考え方
クリスマスローズはやはりヨーロッパの山野草と考え、山野草的思考が必要かと思います。 |
クリスマスローズ用培養土「山野草の土」について 【特徴】 1.全体に団粒構造であり、通気性、排水性、保水性、保肥力と夏気温が高く、非耐暑性植物であるクリスマスローズの生育特性に合わせたバランスの良いハイグレードの配合土です。 2.特に赤玉土は業界一硬質のメーカーを厳選しました。 3.一年を通しての水やりは乾けば水やりをするというクリスマスローズの根の特性。 4.腐葉土は配合しておりません。夏場枯れる原因はこれにあります。 5.カルシウムは配合しておりません。 6.ミジンについて。 7.実は山野草の土は培養土全体の中で、最も高級品なのです。 8.肥料は入れておりません。 【御使用前の注意点】 |
1.基本的に乾けば水やりをするというのがコツです。 2.休眠からさめる夏の終わりから秋にかけて植え替えをするのですが、地上部のあるクリスマスローズを始め、 地上部の無い植物まで様々ありますが、高温期ですので水やりの回数に注意して下さい。 3.11月下旬より気温が一気に下がってきます。 と同時に鉢内の乾きもほとんど無くなり自然の雨で充分となります。 4.冬期低温に強いキンポウゲ科植物です。 言い換えてみれば少しぐらい多湿でも問題は無いのですが、やはり水はけのよい培養土で水はけのよいプラスチック鉢、 スリット鉢、底穴のたくさんあるポリポット。 そして陶器製なら昔はこれしかなかった陶器製のサナをご使用下さい。 水はけがかなり違うと思います。 5.冬の間、地上部が休眠していた植物も、次々と葉が展開していきます。 そして2月頃雪の中、福寿草、セツブンソウ等は咲き始めます。 水やりは自然の雨だけで充分です。 6.4月以降気温が上昇してきます。 それと同時に水やりも回数が多くなるかと思いますが、乾けばやるということが基本です。 7.梅雨の前後、次々と休眠してきます。 この季節、つまり7月、8月、9月頃と気温が高く、一番問題となる高温多湿に注意します。 ア) 日陰の雨の当たらない風通しの良い所へ移動し、やや乾かしぎみに水やりの管理をして下さい。 8.そして何よりも腐葉土、或は有機質の混入の無い山野草の土で植えることは言うまでもありません。 |
1. 従来クリスマスローズは浅植えとされる解説が多く疑問を感じておりました。 2. 実は弊園でも10年以上も前からクリスマスローズを入手しておりましたが、解説書も読まずまったくの素人作り、 3. おそらくは今後の10年にて日本の解説の中で栽培方法の内容が全く異なる解説になっていくのではと思います。 ア) 2010年春にクリスマスローズの苗から開花株まで入手。 イ) その結果、全量枯れず夏越しができ、秋9月下旬頃より植替えを始めました。
1)浅植えすることにより、乾湿の差が激しく、適度な湿度を求めて潜ってしまう現象です。 4. ではなぜ従来の解説は生長が劣るにも関わらず浅植えとしたのかというと、それは枯れやすいからです。 なぜ枯れやすいかといいますと、 5. ではなぜ枯れやすいかというと、2通りの事が考えられます。 ア)根が腐ることが原因 腐葉土を加えることにより保水力が増します。そして水やりが多いとどうなるかといいますと、 イ)新芽の葉柄部分が腐ることが原因 そしてもう一つの原因は、腐葉土そのものが、複雑多岐に渡り、腐敗菌を含んでおり、 それによって腐葉土と 例えば特に初心者が、価格の安価な小株を購入され、水やりは他の植物と同じようにされることにより 6. 専門ナーセリーの栽培は、ガラス温室、ビニールハウス等にて育成されておられます。 浅植えにすれば葉柄部は常に地上部に出ていますので、風通しもよく乾燥状態になっているので、 7. 解決策として「山野草の土」を使えば腐りません。 その理由は弊園オリジナル「山野草の土」は 後書 |
1.メリクロン由来 ア)メリクロンとは無性繁殖法(挿し木、株分け等)であり、植物の生長点を組織培養法によって短時間に大量に イ)1952年ダリアのウイルス株を生長点の組織培養によってフランスのMorel&Martinがウイルスフリー株 ウ)当時、ラン科植物のウイルス病が蔓延し、そのウイルスフリー株つまり無病株を作り出す技術を考えたのが エ)その後、フランスのラン農園で実用化し、その苗を’Mericlone’と称して発売に至ったようです。 2.ミヨシのメリクロンについて ア)日本では種苗会社のミヨシ種苗が花の生産者向きに、従来の挿し木、株分けにたよっていた イ)更には新品種が作出されたものを、メリクロン技術によって短期間にその新品種を販売することが ウ)そしてその品目の中でミヨシは人気のクリスマスローズに目をつけたことはいうまでもありませんでした。 3.クリスマスローズのメリクロン苗について ア)ミヨシのメリクロン苗につきましては「園芸ガイド2013年冬号」にくわしく書かれておりますので参考に イ)実は弊園も今から10年以上前に「ツワブキ」という植物でメリクロン苗を生産し、大量に全国の花き園芸市場へ ウ)上記園芸ガイドの解説によりますと、 ②メリクロン苗の生産は外国とのこと。 エ)クリスマスローズのメリクロンは簡単か? ②キンポウゲ科の植物は難しいと言われています。クリスマスローズに限っていえば現在何タイプかミヨシより ③色々なブログを見ていますと、メリクロンはいとも簡単にできると思っておられる方がかなりおられるようですが、 ④国内クリスマスローズナーセリーはメリクロン苗生産をするか? エ) そして何よりもメリクロン技術はかなり高度な技術が必要で、各ナーセリーにはその技術が全くといって |
1.培養土を考える
(1)クリスマスローズにとって良い培養土とは 以上のことを考えると理想的な土は「団粒構造」をした山野草培養土が最適かと思います。 (2)腐葉土とは ア)山で木が毎年成長する過程で落葉が起こり、その落葉の長年堆積したものが、 イ)山で生育する山野草はこの腐葉土の層に根を張ります。 ウ)おそらくはクリスマスローズの自生地でもこの腐葉土の層に根が張っていると思われます。 エ)日本の山でいえば、夏涼しいということであり、腐葉土もその物理的性質を長く保つことが オ)ヨーロッパでは鉢物にピートモスが大量に使用されていますが、その条件として気温が低い カ)そしてクリスマスローズの栽培というと、クリスマスローズの原産地の気温が低い、つまり キ)日本の気候はアジアモンスーン気候であり、夏、ヨーロッパに比べて気温が高い ク)ヨーロッパの気候に合った現地の培養土が理想的とされ、日本へ紹介されたため、 ケ)弊園の失敗から、腐葉土の混入の無い山野草培養土を使用することが、ヨーロッパの原産地と同じ 2.クリスマスローズにとって理想的な培養土 (1)上記のことから使用する培養土の物理的な基本は何かと言いますと、通気性を第一に考え、 (2)具体的な培養土は? (3)以上のことを考えますと、やはりクリスマスローズの原産であるヨーロッパは夏涼しいという気候であり、 (4)北海道、東北地方では夏涼しく、培養土に特に問題にならないかと思います。 3.環境を考える (1)一言に環境といいましてもなかなか難しい問題かと思います。 (2)夏涼しくするには? どのようになっているかというと? 【解決策】回りの遮光ネットを取り除くことにつきるかと思います。 例2)檻に遮光ネットを張り、上からかぶせる。 (3)解決策としては ア)大きな建物の北側に置く イ)遮光ネットを上高く張り巡らす。 ウ)大きな木の下に置く エ)温室等では棚下に置く オ)棚下に置く 4.肥料を考える (1)なにもクリスマスローズに限ったことではないのですが、解説に「マグアンプK」 ア)実生苗・育苗苗は、苗、或は株がどんどん成長し花を咲かせる段階です。 オ)結論から言いまして、10月~3月の間は低温でも吸収のよいIB化成を2ヶ月に1回。 カ)4月以降、休眠までの間に幼苗はクリスマスローズ育苗用小粒化成肥料。 キ)開花株は4月以降、休眠するまでの間にクリスマスローズ開花株用小粒化成肥料をお勧めします。 (2)クリスマスローズの肥料を考えるには? (3)栄養成長とは (4)生殖成長とは (5)まとめ ガーデンハイブリッドの例 ア)実生1年目の春から翌年の春頃まで、窒素成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が イ)実生2年目の初夏の頃よりリン酸成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が良いかと思います。 ウ)実生3年目の開花株は毎年リン酸成分のやや多い肥料、できれば化成肥料が良いかと思います。 5.水やりを考える (1)クリスマスローズと同じくキンポウゲ科の植物に福寿草或は雪割草があります。 (2)雪割草はこれらの中で一番植物体も小型で根も細い特徴を持っています。 (3)今までの経験を考えてみますと、クリスマスローズハイブリッドに限って言えば、 以上の2点を問題なく整えられた場合、夏の水やりは弊園の経験からして毎日やっても (4)一般のマニアの方々はガーデニング感覚で夏の水やりは多い目にしなければと思っています。 ア)そのような中で、管理するガーデナーは日陰にして涼しい風通しのよい環境を設定できない。 以上の3点の複合された管理によって枯らされているのではと思います。 (5)まとめ ア)水やりは今まで書きましたように、クリスマスローズの特性上の問題、環境の問題、 その時、初めてすばらしいクリスマスローズの花が見られるのではと思います。 |
ア)弊園も各ナーセリーの生産品を買い付けておりますと、寒中であっても突然に 花茎が倒れ、しおれている株を見つけます。 イ)株元を見ますと、カビが発生していたり、水浸状になっていたりします。 ウ)そして現実にはどうしたなら良いか?
そしてどのようにすれば良いか? 2.この株は1年前に同様の病気になり、その植え直した株が一年後には花芽を上げています。
25年2月11日、咲きました。 清潔な通気性、排水性の良い山野草培養土に植え替えただけで、病気は治るのです。 3.趣味として育てられている皆様の棚でもこのような事例が発生しますと、 同じキンポウゲ科の福寿草は昔からの知恵で、植替えは秋と花後といっています。 |
クリスマスローズと同じキンポウゲ科の植物に福寿草があります。 祖先はやはりヨーロッパ原産でシベリアを経て日本まで分布しています。 日本の福寿草は夏休眠しますが、ヨーロッパ原産種は常緑種です。 そして「偽ヘレボレス」と呼ばれているようです。 そして福寿草は秋と花後が植え替え適期とされています。 クリスマスローズも日本の夏はヨーロッパと比較して想像以上の暑さで、 日本の植物では山草或は高山植物と同じ扱いになります。 以上の事柄を考えますと、現在流通しているクリスマスローズの培養土は 福寿草では花後と古くより言い伝えられています。 植え替えた直後はしおれますが、やはり春の成長期、しばらくしますと回復します。 |
1.今から思えば2年前「クリスマスローズを楽しむ」という図書を発行された 栃の葉書房さんの紹介でお電話をしました。 そして、一度お伺いする旨のお話で終わっておりました。 2.埼玉までは行くのですが、なかなか加藤農園さんへ行けなかったのです。 3.そして今回平成25年1月18日にお訪ねしますとどれもこれも山野草培養土にて
4.そして実生育成中のハウスを見せて頂き、更に驚きました。 ア)育苗中の棚です。きれいに並んでいます。
イ)その中で早くに発芽し、育ちの良いものは、既に3.5号ロングポットに
ウ)2.5号で育成中のものです。
エ)これは丸一年かけて育てたもので、育ちの良い株は既に花芽を付けているとのこと
このことはクリスマスローズ業界、画期的なことです。 5.お話を聞きますと ア)山野草培養土を使用すると思いの他育ちが良いとのこと。 イ)やはり根の張りが従来の用土を使用した場合と比較にならないとのこと。 ウ)その結果、植替えを何回もやらなければならないとのことですが、 エ)やはり通気性、排水性が良いため、「根は空気を好む」の言葉通り、根の成長が オ)その間の加藤農園さんのクリスマスローズの癖を知り尽くしたその技術力が |
当方は色々なことがあってクリスマスローズ業界になかなか入れませんでしたが、 この1~2年で気づいたことを解説しますと、加藤農園さん、水を得た魚のように 行動されたことは当方想定外であったこと、そして業界の従来の解説、インターネットを 含めての呪縛からアマもプロも解き放たれるのもそう遠くないように思えます。 何しろ丸一年で花が咲くのですから。 |
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