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平成25年 輸入株の現状

1.平成25年 輸入株の現状
2013年11月16日
本年輸入された2芽株です。
植物検疫に引っかかったと見え、
上部のオガクズは取り除かれていました。
上部に入っておりましたチベタヌスを取り出しましたところ
途中よりオガクズが出てきました。
ところが本年は例年よりオガクズが湿っているのです。
弊園が従来より指摘しているオガクズの乾燥が
遠く中国の奥地にまで届いたのでしょうか?
例年のことなのですが、芽がケースの中で成長し、起き上がろうとしています。
早生タイプ程その傾向が強くなります。
オガクズから掘り出したチベタヌスです。 この株は新根がかなり成長している状態です。
この状態は早生タイプと考えられます。
洗面器に移したチベタヌスです。
これから少し洗って選別です。

2.「選別したチベタヌスです。」

この株はどちらかという現地で掘り上げ時に根が短く切られたタイプです。このコーナーの株は比較的新根が長く良株と言われるタイプです。根が短く不良株と思われるみなさまの評判の悪い株です。
ところがよく観察しますと気がつくのですが、蕾は固く、まだまだ新根も出ていない晩生タイプであることがわかります。
おそらくは現地であと少し養生してあれば新根が出て、何ら変わりのない株の状態となっていることと思います。
弊園からすれば、このような状態の株で昨年の根が大事にされ、長くたくさんついて、
そして国内で新根が育つことが最高と思いますが。旧根もよく出ており、
新根も出始めている株です。6芽株です。

「本年初めて国内に入った4~6芽株です。」
裏表を見せています。根の状態がよくわかります。

 


 


 


 
4芽株と思いきや、実は2株の根が絡み合っていました。 反転するとよくわかるのですが地下茎が分かれています。

根を少しずつ引っ張りながら分けているところです。
新根が絡み合っているだけにかなりの力がいります。

3芽株と1芽株に分けたところです。
この根が絡み合っているということは
現地の状況がよくわかります。
別のところで解説したいと思います。
ところが現地で生産がないのか、当初の予定よりかなり少なく入ってきました。
御予約頂いたお客様にお詫びしなければならず、誠に申し訳ございません。

平成25年輸入株からの考察

1.成長の早い(早生タイプ)チベタヌス。
現地中国ではいつ頃から気温の低下と共にチベタヌスの成長が始まるのか知りませんが、
かなり新根が成長しています。
このような株を良株と言っているのではと思います。

2.根の少ない個体です。
新根が出ていますが、根の少ない個体です。
全体に根の張りが弱いタイプで現地では成長つまり大株になるには
時間が掛かるタイプではと思います。

3.自然の実生株が混入していました。

と思ったのですが、自然のバックバルブ咲きでした。
バックバルブ側の根が古いことがわかります。 当初自然の実生株が成長し、
根が絡み合っていると思ったのですが、
後でわかったことですが、
よく見ればバックバルブから細々と成長していました。
2013年11月30日
チベタヌスの御予約を受けていましたお客様へ、何とか発送出来ました。
やっと当方も見本となる株の植え付けを始めることが出来るようになりました。
実生株と思っていました株を外そうとしたのですが、意外と外れません。
よく見ると株がつながっていました。
このような場合、通常バックバルブは栄養が回らず、
育たず消えてしまう場合が多いのですが、何とか育っていました。珍しいケースです。
とにかくこの子株を外して1本立にしないことには育ってくれません。
今後の成長に期待です。
子株をはずした親株です。
画像ではよくわからないのですが、バックバルブがとれそうなので外しました。
バックバルブをはずした親株です。
またバックバルブがとれそうなので欲をかいてもう一回とりました。
すると「しまった」と思ったのですが、後の祭りです。
2芽株が株分け状態です。
それぞれの切り口です。
外見上2芽株に見えますので、
根を絡めた状態で植え込むことにしました。

4.3株が絡み合ったままの輸入株が見つかりました。

この株を見ますと

① 花芽があるリード株、つまり先端株
② バックバルブから新芽が吹いた株
③ ②より更に古いバックバルブから吹いた力の弱い新芽株

以上考えられ、元々現地の森の中で掘り出されたバックバルブのたくさん付いたチベタヌス。
休眠期に伏せた株が成長期の今頃にはこのようになったのではと考えられます。

 


手前の小さな芽が吹いたバックバルブ伏せです。
多分リードである親株から遠くに離れていたそれこそ10年以上前のバックバルブと思われます。


次に親株に近いバックバルブの根伏株です。


古い根が絡み合っているところをほぐして引き離しています。


引き離したところです。


3株を並べてみました。

 
親株ですが、樹勢が無いというか、
脇芽が吹かないタイプであることがバルブから見てわかります。
 
親株に近いバルブ吹かしの小株ですが、
よく考えてみますと、この子株には新根が発生していません。
この古い根は元々絡み合っていたわけですから、
このバルブの親株は引き離されて、どこかへ行ってしまっているのでは。
いずれにしましてもこの3株が孫株のような気がします。
おそらくは大きな大きな株に何十年とかけてなっていたのではと思います。

5.脇芽のたくさん見られる2芽株。
色々な個体が自然界では見られるかと思いますが、
この株を見ますと樹勢が強いことがわかります。
現地ではかなりの大株であったのではと考えられます。

6.根の悪い株 つまり根を短く切られた2芽株。
これらの株を見ますと一番チベタヌスがどのようにして日本へ来るのか、現地の生産が理解できます。

1.

休眠期にチベタヌスのある森へ入って大株をくわ等で掘り上げる。
その時乱雑に扱われるので根は短く くわで切られる。
多分根を大事にして掘り上げるには手間が大変なので、掘りやすいように適当にくわを入れていると思われます。

2.

そして里へ持って帰ってくると思われるのですが、1芽、2芽、3芽等に規格を揃えて株分けしているのではと思います。
その2芽株が今回のような株に分けられたのではないかと思います。
そして株分けした株を、一旦畑に仮植えするかと思います。

3.

この秋11月に入ってからだと思いますが、仮植えした株の輸出時期になり、掘り上げられます。
その時早生タイプは根の伸長がかなりあり、その根が絡み合っている株があったことから、かなりの密植で仮植えされていると推測出来ます。
そして何より低温感応が遅いタイプ、つまり成長が始まっていない株は仮植えした時そのものが日本国内に入って来ているわけです。
そしてそれが流通しますと評判の悪いチベタヌスとなります。

4.

総合的に考えますと、

1.その年の休眠期に掘り上げられ、株分けした株は、秋花芽がついた株から輸出されます。
2.バックバルブを伏せた株で、花芽がつかなかった株はもう一作、畑で育てられているのではないかと思います。
  そして翌年花芽がついたところで輸出されるのではと思います。
  多分それは1芽株としてなされているかと思います。
3.もちろんバックバルブ伏せが全量翌年に花芽を付けるわけでなく、その場合二作する株もあるかと思います。

5.

根の悪い株は11月になっても新根が成長していない晩生タイプと思われます。
おそらく新根が成長し、良株に見える株も夏の休眠期に掘り上げられ、株分けされた時点ではどれもこれもこのような状態ではなかったかと思われます。

7.2芽株の良株をサンプルに植えて見ることにしました。

ところが輸入2芽株を植え込み始めましたが、どうもおかしいのです。
よく見ると根が絡み合っているだけでした。
少し引き離し、反転させて裏面から見たところです。
バルブの切り口が黒くなっているところからわかります。
現地でも株分けする時に誤って深く切ってしまっているようです。

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