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花ハス・花蓮の種類 黄蓮

花ハスの種類 黄蓮

 

蓮の研究で有名な阪本祐二氏の著書「蓮」法政大学出版局発行の中に
「王子蓮」の解説があり、その内容を紹介いたします。
そしてアメリカ産の黄蓮には2タイプあるようです。

1960年秋、米国コロラド州デンバー市在住の日系米人 小川一郎氏(ichiro,Ogawa,1926-)が
訪米の皇太子ご夫妻に依頼し日本にアメリカ産ハス(Nelumbo pentapetala)の実を導入された。
大賀一郎博士は1961年にこれを発芽、育成し、翌年筆者に分根し、同年開花させた。
アメリカハスは大正年間に一時導入されたが絶えて、日本では久しく黄色のハスを
見受けなかったが、これによってアメリカハスが再び日本に根づくことになった。
この実はエバース博士(Robert A. Evers)がイリノイ州のミシシッピ川流域にある
バルメヤー(Valmeyer)付近で採集したもので、花色は淡黄色であるがややクリーム色を呈し、
弁は大きい。レンコンも白くかつ大きいし、実もいくらか大きく、バージニア産のアメリカハスとは
異なった形態を示している。花の開閉にも特徴があって、閉じる時、各弁が不規則な閉じ方を
するところから、バージニア産のアメリカハスと区別して「王子蓮」と呼称している。
これには皇太子ご夫妻の導入によるものという意味がこめられているものである。
この種はミシシッピ川上流ウィスコン州のネルソン湖付近まで大群生をなして生育しているが、
日本では珍しく、はじめての品種である。しかし日本の風土では腐敗病菌におかされやすく、
栽培には十分注意しなければ枯死させてしまうおそれがある。

バージニア黄蓮 バージニアゴールド

元々の由来は「魅惑の花蓮」渡部達三著によれば
「米国ヴァージニア州のCecil H.Reed夫人が保護し
ているのを1968年、阪本祐二氏が譲り受けました」
とあり、蓮根の状態であったのか、種子であったの
か不明ですが、かなりの濃色であったところから
人気がでたようです。

ちなみにバージニア州はアメリカ大陸の東海岸ミシ
シッピー川流域とはアパラチア山脈と隔てております。
詳しくは不明ですが東海岸に自生する黄蓮はバー
ジニア系ではないかと思います。
フロリダに自生する黄蓮を見ますと黄蓮そのもの
ですが、良く見ますと中には稀に濃色タイプが自生
しており、坂本氏が将来したバージニア黄蓮もこれら
の中の選抜品であったと思われます。

バージニア黄蓮A 伊賀黄蓮

育種者は三重県在住の市田氏の交配とのこと。
バージニア黄蓮を片親と思われますが、
性質は強健にて育てやすい品種です。
無銘でしたが販売するに当たり整理上、
伊賀黄蓮と仮名を付けました。

バージニア黄蓮のセルフ実生とすると、先祖返り
しており、アメリカの現地でいう標準的なバージニア
産黄蓮はこのような品種と考えてもおかしくはない
かと思われます。

伊賀黄蓮と桑名黄蓮は兄弟実生と思われます。

バージニア黄蓮B 桑名黄蓮

育種者は三重県在住の市田氏の交配とのこと。
バージニア黄蓮を片親と思われますが、
性質は強健にて育てやすい品種です。
無銘でしたが販売するに当たり整理上、
桑名黄蓮と仮名を付けました。

伊賀黄蓮と桑名黄蓮は兄弟実生と思われます。

オハイオ黄蓮

中国荷花品種図志よりコピー
黄蓮花

本年も咲きませんでしたのでお詫び申し上げます。
それによりますと、黄蓮花 原産美洲とあり1982年
中国科学院武漢植物所となっております。
大型種に分類されています。
おそらくはアメリカで濃色タイプを選別したか、
或は選別してあったものを中国へ輸入されたことと
思います。
私見ですが、その性状により王子蓮の系統つまり
ミシシッピー川流域のものに近いようにも感じられ
ます。或はその花色の系統からバージニア系とも
思われます。(今後要観察)
そして中国には黄蓮として美洲黄蓮といわれる品種
がありますが、これはアメリカより将来した品種おそ
らくは蓮根そのものを輸入した品種と思われます。
さしずめ日本でいうアメリカ黄蓮でしょうか。

王子(古幡)蓮

王子蓮の由来
なぜ王子蓮と呼ぶかといいますと、今上天皇
が皇太子時代に訪米され、その種子を持ち
帰られました。それを大賀博士が育成されました。
この系統の王子蓮は蓮研究家
 故古幡氏が愛培されていました。
大鉢作り(尺鉢以上)の上、肥切れ
させないことが、ポイントです。

この系統は黄紅タイプでややにごりが出ます。
どうも王子蓮の実生品のようです。
本来の王子蓮は黄花のようです。

舞妃蓮

1966年王子蓮と大賀ハスとの交配作出品種。
阪本祐二氏育成。

友誼牡丹蓮

「蓮の話」第四号の中に「花蓮の品種分類」として
香取正人氏が解説されています。
淡黄八重咲き・Mrs.Slocumの自家交配種(花弁数230
枚前後 開花期は7月上旬から8月下旬)Mrs.Slocum
の自家交配から1986年に選抜された種。
中国科学院武漢植物研究所の黄国振氏がアメリカ
で育成した。
今中国で一番人気のある黄色系の八重咲き種。
1998年北京植物園、1999年上海植物園から導入。

黄玉杯

故内田京都花蓮研究会会長作出品種。
王子蓮の実生品種とのこと。

剣舞蓮

「蓮の話」第四号の中に「花蓮の品種分類」として
香取正人氏が解説されています。
淡黄一重咲き・舞妃蓮の自然交配種(花弁数18~22枚
 開花期は7月中旬から8月下旬)1995年、ハス学研究会を
通じて導入され、東京大学と水生植物園で栽培され始め
たのが最初。
千葉市で開催された「都市緑化フェアー」で京都大学名
誉教・授塚本洋太郎先生の名で導入が発表されている。

 
黄陽

故京都花蓮研究会会長 内田氏の作出品種。
王子蓮の実生黄紅一重。

 

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