育て方や品種の紹介等の解説ページです

楽焼植木鉢

 


   和楽さんです。昔は「短冊屋さん」といわれた楽焼きの専門店の店構えです。

1. 短冊屋

京都で江戸時代よりのれんを守って来られた短冊屋さん。楽焼の窯元で、本来は茶陶が御専門であったかと思われますが、その当時のお客様であった「大名」「公家」「豪商」の方々の趣味であった現在でいう「古典園芸植物」、つまり当時の観葉植物を育てる鉢、或は観賞する鉢を受注したのが楽焼の植木鉢の始まりかと思われます。

その短冊屋さん(現:和楽)へお訪ねする機会が偶然にも訪れたのです。それは2000年8月10日の京都五条坂の陶器市で知り合った、短冊屋さんで修行中の川さきさんと知りあえたことでした。その後、2008年9月19日、初秋の頃短冊屋さんへお訪ねしました。

 

祇園の八坂神社の南門からそう遠くはないところに和楽さんはお店を構えておられます。 のれんをくぐりお店に入れていただきますと左手に陳列棚があり、和楽さんで製造販売されている品々が見られます。現在でいうショーウィンドウです。茶道具に混じって上段には万年青鉢が並べてありました。
その上段に並べてあります万年青鉢を見ますと、江戸時代に京焼の楽焼鉢が焼かれていたのは、このような鉢であったのかなぁ?と思い起こされる和楽さんです。
そして、万年青が植えられて飾られている万年青鉢です。 座敷には交趾焼の香合、蓋置が並べられていました。中国南部の軟陶の焼き物で、ベトナム(交趾)の交易船由来の茶陶です。 大亀香合は大阪の藤田美術館蔵があまりにも有名ですが、そのコピーは京都でたくさん作られました。それがこれです。おそらくは楽焼の元はこの交趾焼にあったのではと思えます。由に楽茶碗と交趾焼を焼いておられる和楽さんです。
明治25年と書かれている錦鉢の関案帳です。現在でいうでデザイン集でしょうか。聞くところによりますと、蔵の中でほこりをかぶってしまわれていたらしく 見ると楽鉢の当時の資料であったことが分かったとのこと。おそらくは明治25年より以前に短冊屋さんで焼かれた楽鉢の記録集であったのではと思います。このことから楽焼は江戸時代にすでに焼かれていたのではと思います。
弊園は富貴蘭、長生蘭が専門でしたので、その図案には見入ってしまいました。
この図案から見ましても、他の植物、例えば松葉蘭、葉蘭、細辛、錦糸南天等の現観葉植物の鉢であったかと思われます。 ほこりをかぶっているところから、蔵から出された鉢かと思われますが、交趾写しの富貴蘭鉢そのものです。そして、ここに火屋(ほや)を使用したかと思います。
黒楽の植木鉢3タイプです。2鉢はほこりをかぶっているので、蔵からでたものと思われます。真中の鉢は富貴蘭黒楽鉢です。右側は浅鉢ですので山草鉢。おそらくはオーダーメイドであったと思われます。左側は春蘭鉢です。 座敷の隅っこに万年青鉢がたくさん伏せて置かれています。これらは現在製作中の復活されたもだと思われます。万年青もそうなのですが、当京都では江戸時代より石斛を長生草として愛培するブームがあって、その植える鉢は現在でいう万年青鉢もかなり使われたかと思われます。
復活された万年青鉢です。図案は江戸時代より受け継がれた文様が使われています。江戸時代の京都は日本一の工業都市、着物を始めあらゆる工芸品にこの文様が描かれていたかと思います。いわば伝統文様だと言えると思います。


    興楽園 錦鉢/唐草 万年青鉢 3.5号 無名

2. 興楽園

 

 
唐草 万年青鉢 3.5号/底面 万年青鉢の古鉢
古鉢の万年青鉢 七々子 ハサミ跡

3.愛楽園のページへ



    布施覚作 錦鉢/雲龍文 富貴蘭鉢 5号

4. 布施 覚

ただいま準備中です。

 


    

5. 楽焼 川嵜さんの工房をお訪ねしました。

 

実は川嵜さんと知り合ったのは2008年8月10日の京都五条坂の「陶器市」でした。居並ぶ茶器・茶碗の中で「花入れ」が 売られていたのです。元々、若い頃生け花を修業していましたので、そうに購入、その時の売り子さんに「楽焼の短冊屋さん知りまへんか?」と尋ねたところ、「それは私のところですね」との御返事。ここで合ったが100年目とばかりに、早々にご住所をお聞きしました。そして、後日お訪ねしたことが、昨日のごとくです。
その折、買い求めた花いけはこれです。土は楽土では?
それから本年2016年の秋、京都山科でありました、清水焼団地で川嵜さんと再会したのでした。団地の通りに各お店が出店されておられたのです。
ふと見るとこんなところで楽焼の万年青鉢が販売されているではないですか。
さっそく「だれが売っておられるのですか?」と聞いたところ川嵜さんが出てこられたのです。 「加茂川ですか?」と聞くと「そうです」と答えるその声に「短冊屋さんですか?」と聞くと「そうです。でも、この8月に辞めたんです。」とのこと。そして、聞くところによると、短冊屋さんの現当主といとこ同士との事でした。
12月2日 楽焼工房 川㟢さんをお訪ねしました。

窯を築かれたのが9月の事でしたが、お訪ねしたところ焼き物工房で見られる製作現場とちっとも変わらずお元気に製作しておられました。

そして一番目に入ったのがこの「窯」でした。
お尋ねするとすると楽茶碗を焼成する窯とのことで、その窯を見せていただきました。

上ぶたを取ったところ 中をのぞきますと楽茶碗が1個はいるサヤと回りに備長炭を入れるスペースがあります。
「すのこ」をはずした底です。「ふいご」から送風され焼成温度を上げる構造が良く分かります。 そして焼かれた黒楽茶碗です。窯変が出ています。
楽焼きに使用される「ハサミ」です。京焼(本当の京都の焼き物)で使用するはさみは意外と小型でした。 楽茶碗用はこのハサミとのこと。川㟢さんがコツコツと長年に渡り収集されてきたことは尊敬に値します。
現在、製作中のものを見せていただきました。二枚貝をデザインした皿です。 黒楽の向付けの器を製作中です。
現在、使用されている電気窯です。
信楽焼でもそうなのですが、食器関係は安定した熱源がいるようです。そう思うと炭火で焼いておられた頃は、相当の苦労があったことと思います。
焼きものの資料を見せていただきますと、錦鉢の図案のルーツを見る思いがしました。
5-2. 楽焼 川嵜さんの個展が行われました。
 

2017年4月29日
楽焼作家 川嵜貴生氏の個展が行われました。
於 清水坂 朝日堂 「アートサロン くら
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清水寺の参道。 さすが人気スポットだけあって人、人、人、、 その参道に朝日堂さんが営業しておられました。
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入口の通路には清水焼品々が手を取れるよう置かれていました。
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そして愛嬌のある信楽焼タヌキの数々。 これも和みの空間です。 正面にはクラフトショップ朝日陶庵の入り口があります。
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「アートサロン くら」は建物の右側にありました。 入口正面には楽焼の水指が飾られており、やはり楽焼と茶道は切り離せないものと感じました。
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蔵を改造したギャラリーには香炉の品々、歴代の作品を勉強されながらオリジナル作品を創り出されているのではと… 楽焼伝統の獅子の香炉を始め花入れなど飾られていました。
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通路側の出窓には楽茶碗が、多分力作なのでは。 営業しておられる本館と旧蔵の間を昔は庭であっただろうというところを、現在はギャラリーにされ展示場とされています。
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5. 藤浦陶園

 

 

3.5号 万年青錦鉢 ハサミ跡があります。

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